もうしばらく触れていなかった箱をあければ、部屋が静かに冷たくなっていった。あんなに傷つけられて自分の人生をすり減らしたのに、何も生まれなかった。わたしほどはみ出てしまった人間を一人も知らない。 夜中に一人で手紙を捨て続けていた。思い出という…
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