もうしばらく触れていなかった箱をあければ、部屋が静かに冷たくなっていった。あんなに傷つけられて自分の人生をすり減らしたのに、何も生まれなかった。わたしほどはみ出てしまった人間を一人も知らない。 夜中に一人で手紙を捨て続けていた。思い出という…
きみは絶望なんて全然していないみたいに、未来の話が好きで、新しい発見にとても喜ぶ。それとも今に絶望しているから未来の話が好き?私は絶望ののち、自分が生まれる前の過去に執着した。誰かが生きて創り出して時間を超えてもヒリヒリと届くもの。肌を焼…
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