きみは絶望なんて全然していないみたいに、未来の話が好きで、新しい発見にとても喜ぶ。それとも今に絶望しているから未来の話が好き?私は絶望ののち、自分が生まれる前の過去に執着した。誰かが生きて創り出して時間を超えてもヒリヒリと届くもの。肌を焼くみたいに、コンクリに擦った膝の傷のように、泣くのを我慢するときのように。ギリギリのものが好きなんだ。今よりもっと混沌としていた時から届く、懐かしくなって熱い強いけど寂しくてギリギリの。傷だらけの。
私だけその場にいないことに、されること。お揃いではいけなかった運動靴。聞こえなかったふり見なかったふり。突っ伏した机の匂いに、もう慣れたと思えば余計に痛む胸、幾つ乗り越えたと思ってるの。もういいの、死ぬことを選ばなかったこの痛みはいつか誰かに届くようにするんだ。私の作ったものを見れば、誰かの心が痛めばいい。
言葉は、最初からズレていて、話せば話すほど相違していくの。わかり合いたいなんて、希望の話でしかないんだ。微塵の可能性もないよ、あなたと私の地獄も天国もちがう場所にあることを、わかったらきっと分かり合えるのに。だから本当はいないことにされるのは正しかったかもね。そういうことを、伝えるよ。