寂しくて寂しくて泣きながら帰ったら口の中で血の味がした いつもの道がなくなった
土の色は黒かった 夕陽が町を真っ赤にして
自分の身体の中を歩いてるようだった
思い出す 思い出せ
春は自殺がしたくなる 子どもたちの笑い声があまりに光るから 大好きだったママがパパが老いてゆく 子どもにもう戻れないということが心のど真ん中に突き刺さる
公園で走り回っている子どもにはまだわからないだろう 家に帰れば生理中の内蔵が腐ったみたいな匂い 私も歳を重ねてきた
こんなに目つきの悪い日は 肌触りのいい服を選んで黒い犬のぬいぐるみ抱いて コーヒーを飲んで うるさい音楽でも聴けば大丈夫 
大人になっても痩せたままの胸を誇りに思ってる
明日は雨が降るみたい あたりまえに一人で予定もないけれど手紙を書く相手はいる かわいい便箋に夢の話書く そしてお気に入りのオレンジのビニール傘さして郵便局に行くつもり 
きっと手紙に貼るシールで散らかる部屋を片したらさよーならみなさん という漫画を 高校生ぶりに読み直すつもり