桜貝の色をした爪にラメを塗りこんで隠してた友達の機嫌の良さが、私を救ってくれる。
口をきかないし、生きてもいないんだけれど たしかに生きてる感じ、命を感じるような物を集めて暮らしてるんだ 一人きりシーンとなった瞬間怖くなる場所が好きで、広くて大きくて、考えると心が拡張されるような頭が痛くなるような、大きな気持ちが生まれて。泣きそうになるあの瞬間をずっと大切にしたいと思っていた。
最後には音を立てず身体が破裂した悪夢の中から持ってきた何かのかけらは握った手の内を傷つけて、目が覚めたらベッドにもう乾いた血の染みができている。郵便屋さんと何度もすれ違っていて、なかなか荷物を受け取れない。この前会った人から突然私に似ている女優を知らせるショートメールが届いた。プランパーでツヤツヤになった唇ははちみつの味がして水筒からジャスミン茶を飲むと変な味がした。太ももに爪楊枝が刺さってる。
不思議なことも悲しみも。すべて、すべからく私の体に収まっていく。
草の上で寝転んで。隣にきて ずーっと昔に溶けた雪の話を聞かせて。