優しくて、独りよがりで、悲しくて、愛おしい
ミルク舐めるこねこ、石鹸のにおい 白い花 
天使? 砂糖水 やわらかい布 公園?地獄 僕より狂ってるあの子じゃないとダメなんだ

いろんな人が混じって混じって混じって間違えそう。目の前の、この人の名前はなんだっけどこで生まれたってどこに住んでるって言ってたっけ。でも間違えても許してくれてなんとなくずっと一緒にいそう。懐かせて。グルグルグルゴロゴロミャーニャーニャーナーン、どこで生まれたの?火星?私は眠るために髪を巻くこともあるよ。
あつくてあつくてぼーっとする。汗も滴るけど好きな人に抱きしめてほしい。抱きしめさせてほしい!私はね、静かに眠る人が大好きかもね。静かに眠らせてくれるからね… パパのいびきはいつもひどくて、ママのことが不思議でたまらない。 静かに眠る人にぴったりくっついて目覚めたら冬がいい。

伸びた髪の毛にオイルをすり込んでいると、ドア叩く音がする
狂っては戻してこねて伸ばして 宇宙と地球が反転した くるくる回って一度泣く。ニャーンと言う。

私は当分子猫の気持ちで他人に懐く物を落とすお前を引っ掻き回す。念入りに毛を繕う。すぐに熱中してすぐに飽きる。

雷の隙間に僕たちはいた。廃墟みたいな赤茶のビルの屋上で、カラスがじっとこっちを見ていた。遠い国から来た人がにっこりと笑いかけたのが合図みたいにスコールがこの町に到達した。土砂降りのなか鳩が逃げてく、どこで眠るのだろうね。夏やなあって誰かが言ったのが聞こえて、また雷が鳴って、僕たちはまだ取り残されたままで、それでも手を繋がない。夏はバランスがうまくとれないみたい。
それにしてもひどい雨。野良犬はどこ。野良猫はどこへ。みんな僕の枕元においで。僕を、踏んで噛んで殴って確かめて、確かめさせて 血を流して 生きていることを教えて。
マラカスの音遠ざかる。星が僕のために瞬く。犬とねこの代わりに絶望がベッドサイドに立って。早くしないと連れて行かれてしまいそう、果てしなくさみしい砂漠が冬で一面の白い雪の中一人きり音もなくたった今ついた足跡もすぐに消えるかなしい夢をもう何度見たの。誰か叶えて彼と彼の周りのすべて全ての願いごと。

薄いチュールに覆われてたあの娘の肌が真っ白できれい。痩せた胸に骨が浮いていて憧れた。朝は身体を反らしながら坂道を嫌々下る。夕焼けの中大丈夫寂しくない寂しくないと、脚と目に力をいれて踏ん張って坂道を登って帰っていた。いつも出かければそこへ全て置いて忘れてしまおうと思う。意思を持って全てをこなしたいのに。必要なものだけをあるべきところに収められたらそれ以外は全部捨ても構わないはずなのに、どうしてそれができないんだろう。なにもかも余計なものが多すぎる。早くさっぱりすっきり過ごせますように。願ってばかり。

そこで、踏みとどまる君のつま先に血が集まるのを見ています。力を込めて
一緒に暮らせたら毎日とっても楽しいだろうね。そんなことあるの 君が君でありたいとき?僕は僕であるだけとか…
「彼女は寝てる 眺めてみても適正価格のゴミを捨てているだけ」
寝言みたいなこと言わないで。噂の白痴の女の子?
「黒のモッズコート ファー付きの買うの 夏でもそれ着るの 病気なの ギター教えて」
幸せだったの?一人でいるなら何も困らないのに。私がいる 私がいるから困ってる。それでも私とずっと一緒にいてくれるのって私だけ…私だけ。ほかにない
みんな誰といるの 教えてよ
深夜なぜか道ばたで新車の匂い 外から内側の匂い 君の肌から内臓の匂い すずしい。すたすた歩ける。私の肌の手触りはだれも覚えられないはず
もうすぐ私のいない部屋で洗濯機がピーピーと言う。私にだせない音でピーピーと泣く子どもが通り過ぎる。

すべてからすべからく離れてる 
私はとってもいい子だよ。泣かなくなったけど、困ったら一人でまた泣けばいいだけ 知ってるの みんなにはテキトーに嘘ついて笑う。
夏の草原と海よ むせかえる草と潮の…

メモ

散歩が好きなのは歩くと数分後にはそこにいないから。歩けば歩く分だけちゃんと進む、自分の体がそれをできることが、地面を踏みしめられることが素直にすごいと思えるから。そこにいないこと、私がそこにもういないことがとても大事だ。そして必ず帰ってくること。自分の体で。
天気のこと。私たちが同じ市内に住んでいたとしても、こっちでは雨が降っているがそっちは晴れているかもしれない。雲は流れて風は吹いていき、たった数メートルでぜんぜん違ったりして、だから少し離れれば天気も違う。だれかと一緒にいることの尊さの理由の一つには同じ時間に同じ天気というのがあると思う。同じ天気の下で暑がったり寒がったりそれに文句をつけたり讃えたり。陽光でも大雨でもいい、それが共通の記憶になっていたことがわかったとき、本当に嬉しいと思う。
自分とうまく話ができなくて、体も心も脳もばらばらに離れていってもう一つになれる気がしない。でも一つだった時もない気もする。元からこういうものだった、と思って黄色い付箋にやらなければいけない事を並べて書いていく。todoリストなんて自分の性格には意味ないだろうとずっと思っていたが、達成できなくても頭の中が整理されていい。todoリストとか計画性とか10年後とかいう言葉が嫌いで、自分にそういう類に則って制約をかけて生活することをする人をちょっと嫌だな、と思っていたけれど、偉いしその人にとってちゃんと意味のあるものだった。規則や規律だ。そうやってみんな自分の存在を確かにしてるんだ。私にはなさすぎたことに最近やっと気がついた。でもミニマリストとだけは一生分かりあわない。体と頭と心がひとつなんかな?
最近気づいたことといえば、自分は二人称を使いすぎだ。いつも誰かを想定してしまってあなたがーきみがーあのこがーって書いてる。いつも頭のなか、空想のことは1人なのに。思うに、私が孤独だと思っているのは独りよがりという気持ちであり、独りよがりっていうのはつまり相対的に近しい他人がいるということで、私の勘違いはめっちゃ最悪だ。不幸ぶったり大袈裟にかなしがったりするのは、自分の触れてきた文化的に仕方なかったと思うんだけど、もう大人気ないかも。孤独じゃないことを認めない、孤独なふりしたほうがうんとロマンチックでかわいいと思って、だって儚いものは綺麗じゃん、ってそういう人ばっかに憧れて孤独じゃないことを認めなかった。魔女や少女や逃避行やお花、愛とか星という言葉を使って現実に潜んでる魔法めいたものが好きだ。それはとっても大切にするけれど、社会性を身につけなきゃ。なんでこんなことを思ったかというと、のら猫になったロマンチックな旅の妄想を書いていて一緒に行く相手を想定してて嫌になっちゃった。のら猫になりたいのに1人じゃないならのら猫じゃないじゃん。つまんない女のまま。
母の手は、毎日の家事によって爪や関節がいつも荒れたり切れていたけれど、手の甲はすべすべで、そこに血管が浮いていた。触るとプニプニしていて腱の上で動くくらいに太く青い血管が。時々触らせてもらっていた。女性にしては大きめの手で、その血管が走ってるのが綺麗と思っていて好きだった。今朝目覚めると、私の肘から指先にかけて血管が浮いていて網目みたいになっていた。漫画のキレた表現みたいに手がピキっていた。私の手は小さくて、指は長くないが薄い手なので長く見えて、でも節が太くてかっこいいと思う好きな体の部位で、そこに血管が浮くととんでもなく良かった。綺麗だった。一瞬体調不良かと思って検索すると、原因は老化とか痩せたとか色々あるらしいけれど遺伝するものでもあるらしい。そして母の手を思い出す。似てる!身体の中で母親譲りなところはコンプレックスばかりと思ってたけど、この手はきれい。今度母に会ったら並べて見てみよう。薄緑の柔らかい網をまとってる、でも腕を上に上げたらすぐに消えてしまった。

薄い約束をしまくるの
やさしい時間とそうじゃない時間は交互にやってきて終わらない
君は未だ少年の光を携えた眼差し
いつまで空を見つめたままなの まだ足りないのならそう言って私に視線をうつして
ひとりでいたらいつも自分の匂いにつつまれていて、小さな気配に鼻で気づくようになる 自分以外の誰か 除光液のすこし甘い匂い
こころはそちらへどんなふうにうつろってゆくの
生きてるのわからないの でも絵が描きたい 美しい洋服が着たい ゆっくり食事を摂りたい 毎日湯船につかりたい 真昼の牧場でソフトクリームが食べたい 会いたい人に会いたい 好きなだけたばこ吸ってあとはゆっくり眠りたい
私はとても意気地無しだし、情けなくて頼りない。世界にて、あまりにも小さい いつも足りない勇気

⭐︎☀︎☁︎

夏は、汗をかいて服がじっとりするのが本当に嫌なんだけれど、台風が街を壊して駆け巡るのをすこしは楽しみ。それから海とかお祭り、浮かれてる人たちを見ること。アイスとビールがおいしいこと。ビニールの安っぽい雑貨を眺めること。サンダル履いて薄着にサングラスを合わせられること。一緒に暮らしてる植物が元気になること。今年の夏は色々捨ててとても身軽な感じで暮らしたい

お前が生涯かけても見ることのできない骨を持っている、足の先 余計な骨 お前が生涯かけても触れない光を触れるの 指の先 眩しくて目を細めて
太陽のお姫さま指を咥えてみてる 目の前にケーキ ロウでできたお家とお人形 私も並んで見てる 火事が起きるよ もうすぐ大きな地震がくるんだよ
もう始まってしまったら、いつかそれを失うか離れていくか壊れてくか、死ぬまで続くのか、それしかないのどうにかならないのかしら
不安なの? いいえ、そうじゃないの 私にはむずかしいだけ




当たり前だよね 好きだから届かないよ 全部近くにあったの?私何もかもとおいの ずっとそうだよ だから迎えにきてとか言って、星とか睡眠とか海とか山とか空がずっと好きなの 迎えに来てくれなくてもかまわないんだ 遠いから 夜中の泣き声はもちろん雨雲も遠吠えも届かない距離で一人暮らし こっそり歌って鍵かけて 私しか知らないと思うから好きだ 内緒っていいものだよ。約束だもん

きっと同じでしょ 
きみの大事なものを奪いたくない

あんまりにも消えてなくなりたい
もうすぐあなたが起きてくる 太陽と月が愛し合ってたら二りはとってもかわいそう 

つつじの蜜 白詰草のかんむり ちりちりって音の鳴るぺんぺん草は本当はなずなって名前 おたまじゃくしがカエルになるなんて なめくじに塩かけたことある?ねえ 

今日お散歩してたら星が落ちてたんだよ 私がいつも絵にかくような。あとさソフトクリームのこと考えてたの…よく晴れた日にどこか知らない場所であなたと舐める想像 朝になったらゼロにしないで。いつでも昔にもどらないで… 適当に話してないの

もう自分のことがいやで嫌で嫌で仕方なくて、でも涙ながさない こらえて気を張って息止めて踏ん張っている方が消えるよりずっと簡単 できるの、それがさあ おかしいでしょう まだいける

嫌われてるの。ほんとかな 
私が猫じゃないなんて。ほんとかなあ